9・02『審判員の裁定』
(a)打球がフェアかファウルか、投球がストライクかボールか、あるいはランナーがアウトかセーフかという裁定に限らず、審判員の判断に基づく裁定は最終のものであるからプレーヤー、監督、コーチまたは控えのプレーヤーがその裁定に対して異議を唱えることは許されない。
「原注」ボール、ストライクの判定について異議を唱えるためにプレーヤーが守備位置または塁を離れたり、監督またはコーチがベンチまたはコーチスボックスを離れることは許されない。もし宣告に異議を唱えるために本塁に向かってスタートすれば、警告が発せられる。警告にもかかわらず本塁に近づけば試合から除かれる。
(b)審判員の裁定が規則の適用を誤って下された疑いがあるときには、監督だけがその裁定を規則に基づく正しい裁定に訂正するように要請することができる。しかし監督はこのような裁定を下した審判員に対してだけアピールする(規則適用の訂正の申し出る)ことが許される。
「注1」イニングの表または裏が終わったときはピッチャー及び内野手がフェア地域を去るまでにアピールしなければならない。
「注2」審判員が規則に反した裁定を下したにもかかわらずアピールもなく定められた期間が過ぎてしまったあとでは、たとえ審判員がその誤りに気づいてもその裁定を訂正することはできない。
(c)審判員がその裁定に対してアピールを受けた場合は最終の指定を下すに当たって、他の審判員の意見を求めることはできる。裁定を下した審判員から相談を受けた場合を除いて、審判員は他の審判員の裁定に対して批評を加えたり、変更を求めたり異議を唱えたりすることは許されない。
「原注」ハーフスイングの際、球審がストライクと宣告しなかったときだけ監督またはキャッチャーは振ったか否かについて、塁審のアドバイスを受けるよう球審に要請することができる。球審はこのような要請があれば塁審にその裁定を一任しなければならない。塁審は球審からの要請があれば直ちに裁定を下す。このようにして下された塁審の裁定は最終のものである。ハーフスイングについて監督またはキャッチャーが前記の要請を行ってもボールインプレイであり、塁審がストライクの裁定に変更する場合があるから、バッター、ランナー、野手を問わず状況の変化に対応できるよう常に注意していなければならない。監督がハーフスイングに異議を唱えるためにダッグアウトから出て1塁または3塁に向かってスタートすれば警告が発せられる。警告にもかかわらず1塁または3塁に近づけば試合から除かれる。 監督はハーフスイングに関して異議を唱えるためにダッグアウトを離れたつもりでも、ボール、ストライクの宣告について異議を唱えるためにダッグアウトを離れたことになるからである。
(d)試合中、審判員の変更は認められない。ただし病気または負傷のため変更の必要が生じた場合はこの限りではない。