4・12『サスペンデッドゲーム(一時停止試合)』
(a)球審が次の理由のうちどれかによって打ち切りを命じた場合、リーグは後日これを完了することを条件とした試合、すなわち、サスペンデッドゲーム(一時停止試合)とする規則を制定することができる。
 (1)法律による娯楽制限。
 (2)リーグ規約による時間制限。
 (3)照明の故障またはホームクラブが管理している競技場の機械的な装置の故障(競技場の機械的な装置には、自動キャンバス被覆装置とか排水設備を含んでいる。)
 (4)暗くなったのに法律によって照明の使用が許されていないため、試合続行が不可能となった場合。
 (5)天候状態のためにある回の途中で球審がコールドゲームを宣したとき、次に該当する場合。
  (i)ビジティングチームがその回の表で得点してホームチームの得点と等しくなったが表の攻撃が終わらないうち、または裏の攻撃が始まらないうち、あるいは裏の攻撃が始まってもホームチームが得点を記録しないうちにコールドげームが宣せられた場合。
  (A)ビジティングチームがその回の表でリードを奪う得点を記録したが表の攻撃が終わらないうちまたは裏の攻撃が始まらないうち、あるいは裏の攻撃が始まってもホームチームが同点またはリードを奪い返す得点を記録しないうちにコールドゲームが宣せられた場合。
(b)娯楽制限、天候状態、または時間制限によって終了となった試合については4・10の規定による正式試合となりうる回数が行われていない限り、これをサスペンデッドゲームとすることはできない。4・12(a)の(3)または(4)の理由で打ち切りが命じられたときは、行われた回数には関係なく、これをサスペンデッドゲームとすることができる。
「付記」天候状態若しくはこれに類する理由と他の理由=4・12(a)の(1)〜(5)とが重なって打ち切られた試合を、サスペンデッドゲームとするかどうかを決定するに当たっては、天候状態若しくはこれに類する理由が優先して考慮される。4・12(a)の各項によって打ち切られた試合だけがサスペンデッドゲームとなる。正式試合と成りうる回数に達した後、両チームの得点が等しかったときに、天候状態のために打ち切られた試合(4・12(a)(5)の(i)の状態で打ち切られた試合を除く)はタイムゲームとし、改めて最初から試合を開始しなければならない。
(c)一時停止試合を再開して、これを完了するには、次の要項に従う。
 (1)その球場での両クラブ間の日程の次のシングルゲームに先立って行う。
 (2)その球場での両クラブ間の日程にダブルヘッダーしか残っていない場合には、その最初のダブルヘッダーに先立って行う。
 (3)その都市での両クラブ間の日程の最終日に停止された場合には都市を移して相手クラブの球場で、なるべく、
  (i)両クラブ間の日程の次のシングルゲームに先立って行う。
  (A)両クラブ間の日程にダブルヘッダーしか残っていない場合には、その最初のダブルヘッダーに先立って行う。
 (4)両クラブ間の日程の最終試合日に、一時停止試合を再開することができなかった場合には、その一時停止試合をコールドゲームとしなければならない。
(d)継続試合は、もとの試合の停止された箇所から再開しなければならない。すなわち停止試合を完了させるということは一時停止された試合を継続して行うことを意味するものであるから両チームの出場者と打撃順は停止されたときと同一にしなければならないが、規則によって認められる交代はもちろん可能である。従って、停止試合に出場しなかったプレーヤーならば続行試合に代わって出場することができるが停止試合に一旦出場して他のプレーヤーと代わって退いたプレーヤーは続行試合には出場することはできない。停止された試合のメンバーとして登録されていなかったプレーヤーでも続行試合のメンバーとして登録されればその試合には出場できる。さらに、続行試合の出場資格を失ったプレーヤー(停止状態に出場し、他のプレーヤーと代わって退いたため)の登録が抹消されてその代わりとして登録された者でも続行試合には出場できる。
「原注」交代して出場すると発表されたピッチャーがそのときのバッター(代打者を除く)がアウトになるか1塁に達するか、あるいは攻守交代となるまで投球しないうちに、サスペンデッドゲームとなった場合、そのピッチャーは続行試合の先発ピッチャーとして出場してもよいし出場しなくてもよい。しかし、続行試合に出場しなかった場合には他のプレーヤーと交代したものとみなされて、以降その試合に出場することはできない。
「注」我が国では、サスペンデッドゲームについては、所属する団体の規定に従う。