2・40『インフィールドフライ』
 無死または1死でランナーが1・2塁、1・2・3塁にあるとき、バッターが打った飛球(ライナー及びバントを企てて飛球となったものを除く)で内野手が普通の守備行為をすれば捕球できるものをいう。この場合、ピッチャー、キャッチャー及び外野手が内野で前記の飛球に対して守備したときは、内野手と同様に扱う。審判員は、打球が明らかにインフィールドフライになると判断した場合には、ランナーが次の行動を容易にとれるように、直ちにインフィールドフライを宣告しなければならない。また打球がベースラインの近くに上がった場合にはインフィールドフライ・イン・フェアを宣告する。インフィールドフライが宣告されてもボールインプレイであるから、ランナーは離塁しても進塁してもよいが、そのフライが捕らえられればリタッチの義務が生じ、これを果たさなかった場合には普通のフライの場合と同様アウトにされる恐れがある。たとえ審判員の宣告があっても、打球がファウルボールとなれば、インフィールドフライとはならない。
「付記」インフィールドフライと宣告された打球が、最初に(何物にも触れないで)内野に落ちても、ファウルボールとなれば、インフィールドフライとはならない。またこの打球が、最初に(何物にも触れないで)ベースラインの外へ落ちても、結局フェアボールとなれば、インフィールドフライとなる。
「原注」審判員はインフィールドフライの規則を適用するにあたって、内野手が普通の守備行為をすれば捕球できるかどうかを基準とすべきであって、例えば、芝生やベースラインなどを勝手に境界線として設定すべきではない。たとえ、フライが外野手によって処理されても、それは内野手によって容易に捕球されるはずだったと審判員が判断すればインフィールドフライとすべきである。インフィールドフライはアピールプレイであると考えられるような要素はどこにもない。審判員の判断が優先し、その決定は直ちに下さなければならない。インフィールドフライが宣告されたとき、ランナーは危険を承知で進塁してもよい。インフィールドフライと宣告された飛球を内野手が故意落球したときは6・05(l)の規定にもかかわらずボールインプレイである。インフィールドフライの規則が優先する。
「注」インフィールドフライは、審判員が宣告して初めて効力を発する。