10・19『勝投手、敗投手の決定』
(a)先発ピッチャーは、最少5回完投した後に退いたこと、しかもそのとき自チームがリードの状態にあって途中タイまたはビハインドになることなく、そのリードが試合の最後まで持続されたこと、などの条件がそろったとき初めて、勝利投手の記録が与えられる。
(b)勝利投手を決定するのに、先発ピッチャーは少なくとも5回の投球が必要であるという規則は、6回以上の試合には全て適用される。試合が5回で終了した場合には、先発ピッチャーは最少4回完投して退いたこと、しかもそのとき自チームがリードの状態にあって、途中タイまたはビハインドになることなく、そのリードが試合の最後まで持続されたこと、などの条件がそろったときに初めて勝利投手の記録が与えられる。
(c)勝チームの先発ピッチャーが本条(a)(b)項の各項目を満たさないために、勝利投手の記録を得ることができず、2人以上の救援ピッチャーが出場した場合には、次の基準に従って勝利投手を決定する。
 (1)先発投手の任務中に、勝チームがリードを奪って、しかもそのリードが最後まで保たれた場合には、勝利をもたらすのに最も有効な投球を行ったと記録員が判断した一救援ピッチャーに、勝利投手の記録を与える。
 (2)試合の途中どこででも同点になれば、ピッチャーの勝敗の決定に関しては、そのときから新たに試合が始まったものとして扱う。
 (3)相手チームが一度リードしたならば、その間に投球したピッチャーはすべて勝利投手の決定からは除外される。ただし、リードしている相手チームに対して投球している間に、自チームが逆転して再びリードを取り戻し、それを最後まで維持したときは、そのピッチャーに勝利投手の記録が与えられる。
 (4)ある救援ピッチャーの任務中に自チームがリードを奪い、しかもそのリードが最後まで保たれたときに限って、そのピッチャーに勝の記録を与える。ただし、この救援ピッチャーが少しの間投げただけで、しかもその投球が効果的でなかったときは、勝の記録が与えられないで、彼に続いて出た救援ピッチャーが、リードを保つのに十分な効果的な投球をしたならば、このピッチャーに勝を与えなければならない。
(d)ピッチャーが代打または代走と代わって退いた回に得点があり、退いたピッチャーが次に該当すれば、この得点をそのピッチャーが任務中に得たものとして記録する。すなわち、そのピッチャーが退くまでにリードしていたか、または退いた回にリードを奪い、しかもそのリードが最後まで維持された結果、退いた回にあげた得点をそのピッチャーが任務中に得たものとして記録すれば、勝利投手となることができるような場合がそれである。
(e)ピッチャーがビハインドで退くか、退いた後に自己の責任となる得点があったためにビハインドになり、その後自チームが同点とするかリードしなかった場合には、投球回数の多少に関わらず、最初にビハインドを招いたピッチャーに敗が記録される。
(f)完投ピッチャーでなければ、シャットアウト(無得点勝利)の記録は与えられない。ただし、第一回無死無失点のときに代わって出場したピッチャーが、無失点のまま試合を終わった場合に限って、完投ピッチャーではないがシャットアウトの記録が与えられる。ピッチャーが2人以上リレーしてシャットアウトしたときは、リーグの公式投手成績にその旨の説明をつける。