10・11『補殺(アシスト)』
 捕殺(アシスト)は、あるプレイでアウトが成立した場合、または失策がなければアウトにできたと思われる場合に、そのアウトが成立するまでに、またはその失策が生じるまでに送球したり、打球あるいは送球をデフレクトして送球を扱った各野手に与える。ただし、挟撃のときのように一プレイ中に同一プレーヤーが数回送球を扱っていても、与えられる捕殺はただ1個に限られる。
「付記」”デフレクト”とは、野手がボールに触れて球速を弱めるか、あるいはボールの方向を変えたことを意味するものであるから、ただ単にボールに触れたということだけでは、そのプレイを援助したものとみなされない。従って、捕殺は与えられない。
(a)ランナーがインターフェアまたはラインアウトになったプレイ中、送球したりボールをデフレクトした各野手には、捕殺が与えられる。
(b)三振が記録された場合には、ピッチャーに捕殺は与えられない。ただし、キャッチャーが捕らえなかった第3ストライクの投球をピッチャーが守備して塁に送球し、バッターまたはランナーをアウトにした場合には、ピッチャーに捕殺が与えられる。
「注」本項後段の場合で、ピッチャーの送球が悪送球となってバッターまたはランナーを生かしたとき、送球がよければアウトにできたと記録員が判断すれば、そのピッチャーに失策を記録する。
(c)次のような正規の投球に基づくプレイの場合には、ピッチャーには捕殺は与えられない。
 すなわち、投球を受けたキャッチャーが野手に送球して、離塁しているかまたは盗塁を企てたランナーをアウトにしたり、あるいは本盗を試みたランナーをタッグアウトにした場合がそれである。
「注」ピッチャーが投手板を外して送球したときは、それが本盗を試みたランナーをキャッチャーがタッグアウトにした場合でも、ピッチャーには捕殺が与えられる。
(d)野手の悪送球を利してランナーが次塁を奪おうと試み、続くプレイでアウトにされても悪送球した野手には捕殺は与えられない。
 あるプレイ中に失策と記録されるかどうかに関係なく、ミスプレイがありそれに続いてさらにプレイが行われても、そのミスプレイ後のプレイは新たなプレイとみなすべきで、ミスプレイをした野手は、改めて新たなプレイに携わらない限り、捕殺の記録を得ることはできない。