10・03『公式記録』打撃順に誤りがあったときの記録法
(d)打順を誤ったバッターが、その誤りを指摘されないまま打撃を完了してアウトになった後に、アピールが成立して正位のバッターのアウトの状態をそのまま正位のバッターに記録する。例えば、不正位のバッターAがショートゴロで1塁にアウトになった後、アピールによって正位のバッターBがアウトになれば、Bはショートゴロして1塁にアウトになったものと記録する。
「注1」不正位のバッターが単独で1塁に触れるまでにアウトにされた場合の記録法と解し、例えば、不正位のバッターが他のランナーとともに併殺された場合などに、アピールがあれば正位のバッターがアウトを宣告されて、不正位のバッターの行為は取り消されるから、そのバッターのアウトの状況をそのまま正位のバッターに記録するわけにはいかない。従って、このような場合には、次によってキャッチャーに刺殺を与える。
 不正位のバッターがランナーとなって出塁した後アピールがあって、正位のバッターがアウトの宣告を受けた時は、キャッチャーに刺殺を与え、正位のバッターには打数1を記録する。従って、不正位のバッターがセーフとなった記録は抹殺する。
 数人のバッターが続けざまに打順を誤ったために打順が乱れた場合には、各プレイが行われたままを記録する。
「注2」例えば、1番の打順に2番が打って3振、次に1番がセンターフライで2死、3番を抜かして4番、5番と続いてヒットを打った時の記録法は、1番の2死と2番の1死とアウトの順は前後するが、そのままそのバッターのところへ記録し、抜かれた3番をとばしたまま4番、5番と記録する。従って、3番の打数は1つ少なくなるのは当然である。